衝撃の出会い

  高校2年生の時、いつもの行きつけの画廊に寄りました。アオキ画廊というところで小田原駅の近くにある老舗の画廊です。絵画の他に陶芸、織物など、いろいろなジャンルの展覧会を開催していました。美術鑑賞が好きな僕は定期的に見に行っていました。その日、ドアを開けて画廊に入ると、重厚感のある今まで見た事も無い作品がいくつも並んでいました。ごつごつと土の中から白い石が見え、淡い青緑の色彩が流れるように覆い。荒く削られた造形はまるで岩石を思わせるような存在感でした。僕がじっと見入っていると年配の女の方が声をかけてくれました。少しは陶芸の事を見聞きして知識を持っていた僕は、ギャラリーの方かと思って「僕も陶芸しているんです!」と張り切って自分の創作活動の話しをしました。すると、、、、だんだんその女の人は鋭い目となってこちらを見つめ、、、「あなた、まったく分かっていない」と一喝!。この女の方こそ作品の制作者「神山清子先生」だったのでした。迫力のある作品を小柄な女の人が作っていた事にビックリしたのと、体から溢れ出る威圧感に僕は正直ビビりました。これが後に師匠となる神山清子先生との衝撃的な出会いでした。先生は穴窯の事、自然釉の事などを丁寧に説明してくれました。僕はただただ、自分の無知を思い知らされ、はずかしさでいっぱいでした。そして先生は「あなた機会があったら私のところに遊びにおいでよ」と言ってくれたのでした。

 神山清子先生は1936年生まれ。滋賀県の信楽町にて半地上式穴窯にて自然釉を基調とした作風で知られ、女性の現代陶芸家の草分け的存在。現在は映画「火火」のモデルとして広く世間に知られています。
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