美術部 陶芸班

  画家になりたいと思っていた僕は美術を勉強するために工業高校のデザイン科に入学しました。登校初日、まずビックリしたのはヤンキーがいっぱいだった事です。リーゼントにチョウラン、ボンタン。タバコもプカプカ。当時の男の美学と言うか、そんな感じが流行っていました。校内暴力も問題になっていたし、ナメ猫なんかも一世風靡していました。男女共学ではあるものの、ほとんど男子校状態でデザイン科だけは女子が多かったので、休み時間になると他の機械科とか設備科の男共が女子を物色しに来ていました。デザイン科の男子は、逆にインネンを付けられる事も多くて困った。ちなみに卒業してからカラオケに行ったら友人の歌う横浜銀蝿の「ツッパリHigh School Rock'n Roll」のイメージ映像のロケ地に母校がなっていたのには苦笑しました。

 高校でのデザインの勉強は画家になるためというよりは、工業的な知識を習得するものでした。素材のことや、広告デザインなどの表現の手法などの基本的な事です。画家になりたいと思っていた僕は戸惑いました。豊富にある石膏像を放課後に描いて、やっぱり美大に行くしかないなーそんな風に考えていました。今から思えば、画家になるためにどのようなアプローチが必要なのかまったくよく考えていなかったのでしょう。

 高校入学から4ヶ月が過ぎた時、廊下を歩いていて、ふと彫塑室を覗いてみると先生達がロクロを熱心に回していました。何か惹き付けられてじっと見ていると、ロクロの上で回転する粘土が伸びたり、縮んだり、あっという間に形を変えて茶碗になったり。それはマジックを見ているようで、衝撃的でした。先生達のための憩いの部活のようにも見えましたが、しっかりと美術部の中の「陶芸班」という位置づけでした。(部員はいませんでしたが、、、)「こんな部活があるんだ!」この出会いが僕を絵画から陶芸へと導いて行きました。
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