愛知県の旅 3

中部国際空港から北海道に帰るので空港の近くの「常滑」を散策しました。
常滑には高校時代に小田原から来た思い出があって懐かしく。また焼き物の産地の風景は旭川で一人、陶芸に励んでいる僕にとっては里に帰って来たような感覚すらあって、心が休まるのです。

常滑は鎌倉時代に強度のある大きな甕を作る技術を確立して、海が近いという立地条件から日本各地に輸出していました。
北海道の遺跡からも出土するほどです。
鎌倉時代中期になると北海道では土器づくりをしなくなってしまいますが、焼物の完成度の違いもあって作るより交易で得た方がいいとアイヌの人たちは考えたのかもしれません。

現在は使われていませんが、常滑には大きな登り窯がまだ残されています。


近代になると土管を大量生産する技術を開発し、常滑は一層繁栄しました。
常滑の土管は日本人の暮らしを、今も土の中で支えています。

土管の焼成は薪ではなくて石炭が使われるようになりました。
薪を使う登り窯だと、斜面を登ったり降りたりして作業しなければなりませんが、
石炭の窯(倒炎式角窯)では、平地で作業が出来るので作業効率が格段に上がったと思われます。

重油、灯油、電気などにエネルギーが変わると、石炭窯も使われなくなります。

常滑の道を歩いていると、放棄された石炭窯をよく見かけます。

常滑の小学校の塀には、生徒さんが作ったオブジェが飾られてあって、何とも「焼物の町らしい」。
前を通るたびに自分の作品が気になるでしょうね。


今回、初めてINAXライブミュージアムに行ってみました。
INAXといえばタイルやシャワートイレが有名な企業です。

展示保存された大きな石炭窯の中に入る事が出来るのには驚きました。
焼物になった気分でこの窯の中で長い時間を過ごしました。
この大きな空間全体が、1270度の高温になるのですから凄いものです。

この美術館には、この他、展示資料も豊富で、特に建築壁面に装飾として使用されていたテラコッタを解体後に保存展示しているのには感銘を受けました。

世界のタイルも豊富に取り揃えてあって、なかなか見応えのある内容でした。

夏休みということもあって、こども達を対象に体験イベントも数多く開催されていて、家族連れで賑わっていました。

焼きもの産地は何とも居心地がいいものです。
全国各地から若者達が集まってくるのもそうした空気感が魅力なのでしょう。

長い歳月をかけて作り上げた空気感に一日中浸って、陶芸家としての英気を養いました。
旭川に帰って、バリバリ作るぞ!と力強く空港に向かいました。



 
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