工藤和彦 自作の登り窯を焚く(初窯1)

いよいよ初窯に向けての準備です。
窯の中に作品を詰めるために、棚組をします。
炎の通り方を考えて積みます。
いずれにしてもこの窯では初めてのことなので、経験と感が頼りです。

そして、「ひだりうま」が描かれた飯碗を用意します。

「馬」の字を左右逆に書いた文字で縁起がいいとされています。
その理由は諸説あって分かりませんが、
「ウマ」を逆から読むと「マウ(舞う)」。舞うのは祝宴の時というイメージからとか
「馬」の字の下の部分が、財布の巾着の形をしており、口がよく締まって散財しないとか
馬は左向きに死なないので無病息災などというものもあります。
「左馬」の文様は今日でもいろいろな場面で使われていて、将棋の駒などに書かれたものはよく見かけます。

いつの頃から始まったかは定かではありませんが、陶芸の世界では、昔から、新しい窯を築いて火を入れ、最初に焼成する「初窯」のときに、この「左馬」の文様を描いた茶わんを焼きます。
この茶碗で飲食をすると「中風」にならないと珍重されてきました。

考えてみたら、一生に一度のことかもしれません。
そう考えると僕にとっても貴重な体験です。

茶碗の他に徳利や花器など、どんどん詰めます。
炎が窯の中で上手く回るように考えて配置しなければなりません。

詰め終わったので、入り口を耐火煉瓦を積んで塞ぎます。
炎でこの中が充満することを考えるとワクワクします。



 
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